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着物 覚え書き


絞りの羽織と曽祖父と祖母

今朝は、雪が積っていたので、「着物で外出は無理?」(←弱気)と思ったのですが、ちょっとしたら溶け出したので、無事、お着物で外出できました。
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昔々、私の祖母が女学校を出て、デパートの化粧品売り場で売り子さんをやっていた二十歳かそこらの頃、絞りの羽織が大流行したことがあったのですって。今からざっと七十年位前の話。
「だから、絞りの羽織が欲しくて欲しくて、従姉妹もみんな買ってもらっているのに、でも、父ったら買ってくれないのよ。お金がないんじゃないのよ。お金があるのに買ってくれないの。」と、祖母は、孫の私を捕まえて語るの。
当時、曽祖父は祖母の実母の死後、後添えを貰って、いわゆる「なさぬ仲」というか、色々と複雑だったみたいなんですけれど、祖母にとっては、「欲しい羽織を買ってもらえなかった」というのが何よりの恨み言らしく、曽祖父の顔も知らない私に延々と語る語る。
「紫の絞りの羽織が欲しくて、でも、買ってもらえないでしょ。だから、安くなってた緑色の絞りの羽織を自分で買ったの」。その羽織は、自分で言うのもなんだけど、「とても似合った」そう。

 絞りは細かければ細かい程上等なのよ、とは祖母の談。それでいくとこの黒の絞りはそれ程、上等というわけではなさそうだけど、どの着物にもしっくり合って、私としては重宝してる。
by mhasimoto7 | 2005-12-13 15:50 | コーディネート

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エムの着物にまつわる覚え書き
by mhasimoto7